会長 大島 隆夫

ごあいさつ

 一般社団法人板橋産業連合会は70有余年に渡り、板橋区内の製造業者を中心とした企業経営者の皆さまが集う団体として歩んできました。
 太平洋戦争後の混乱が続く昭和21年3月に板橋産業協議会として産声を上げた当会は、戦禍で失われた事業環境の再構築や新たな労働法制等への対応など、否応なく押し寄せる時代の荒波の中で、孤軍奮闘する経営者らが肩を寄せ合い、限られた情報を共有し、経営の一助にしていくという激動の時代ならではの価値観を強みに、地域産業団体として一定の役割を果たしてきました。
 時代は変わり、情報技術などの飛躍的な発展により「古き良き時代」の産業人の付き合い方にも変化が見られるようになり、ネットやメールさえあれば「地域交流の効用は感じない」と考える新世代の経営者が増大しています。こうした状況は産業界だけにとどまらず、すべての団体・グループに共通する傾向であるといえましょう。
 全企業の99.7%を占めるとされる中小企業ですが、経営者の高齢化や後継者不足により、数年を待たずに大廃業時代を迎えると警鐘が鳴らされています。言うまでもなく、日本のものづくりの屋台骨を支えてきた中小企業が減少し続けることは、国際競争力の点から見ても大きなマイナスであり、危機感をもって乗り越えなければならない問題です。さらに労働人口の減少も現実化し、「働き方改革」に適応しながら競争力を維持し、こうした様々な課題を克服していくためには、技術革新による生産性の向上や新産業への展開などを同時に進める必要があり、現代の経営者には極めて難しい舵取りが求められています。
 こうした変革期にあって、人材に多くの費用をかけることができない企業では、日常の相談相手が存在せず、自社の問題点を把握することさえも困難になっているとされ、中小・小規模企業経営者の“孤独”な姿が浮き彫りにされています。
 東京23区内で唯一、内陸部に工業専用地域を持つ板橋区には、明治期から続く老舗ものづくり企業から、交通の利便性などを頼りに近年移転してきた新進企業まで、様々な業種・業態の事業所が集積しています。そうした環境の中で、事業所の規模や業種に囚われない、“全方位”の産業人の有機的な参加を最大の武器(特徴)とする当会ならではの強みを生かしながら、引き続き会員企業の経営の安定と発展をめざしてまいります。